Horn

緑ヶ丘にある喫茶店兼ウィンナー料理の店。昭和40年代に造成された当時のニュータウンの中心にある。当時は若かった家族もすっかり年寄りばかりになり、活気のある地域ではない(そんなこと言ったらこのまち全体に活気がないが)。ウィンナー料理の店があることには数年前に気が付いており、このたび初めて足を踏み入れた。

その瞬間、店の中で鳴っていたのはAMラジオの番組。店を営む品の良さそうなおばちゃんが、すぐにBGMをホルンの音楽に替えた。12時を過ぎており、本来なら最も忙しい時間帯だが、客足が遠のいているので油断していたと思われる。

店内にはスイスホルンなど音楽にまつわる品々が並んでおり、店名が示す通り音楽をテーマにした店なのだろうが、「Since 1998」というから17年も経つと古さが目立つ。砂糖の粒がテーブルの上に散らばっているなど清潔感もいまひとつ。 

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注文したのはウィンナー入りのドライカレー600円の「f」。fは辛口、pは甘口を意味しているらしい。けっこう待たされてから、ドライカレー、スープ、卵黄のセットが運ばれてきた。ドライカレーの山の頂上にくぼみがあり、そこに卵黄を落としてから混ぜて食べるとおいしいとのこと。言われる通りにしたが、卵黄がない部分も十分にうまかった。ごはんのカリカリ具合、程よいピーマンとにんじんの量。これで600円なら十分合格点。

1センチ幅に切られたウィンナーの味はカレー風味に紛れてよくわからなかったが、皮が厚めなようで、切らずに食べればプリップリッであろう。

満足して帰ったのだが、入店から出店までの間、客は私だけ。メニューにはフランクフルトも掲載されているのだが、売れ行きが芳しくないのか、もともとの値段が消され、値下げ後の値段が手書きされ、その値段も消され、現在の価格が書いてある。悲しすぎる。

開店当初はもっと人気があったはず。料理はおいしいのだから、もっとたくさんの客を集めてほしい。そう強く願わずにはいられないような店だった。